カメラの映像を見る、録画するだけであればOmnicastを導入する意味は無いと私は思います。
一台のモニターに16分割の監視映像が表示されています。これを4面、顎が上がる位置にモニター設置されています。保安監視要員が凝視している監視センターを幾つも知っています。
この様な監視方法は全く意味のない、論外だと言ったら言い過ぎでしょうか?
顎が上がる位置のモニターを見続ける事は苦痛です。複数の映像を見る場合人間の注意力は精々10分から15分です。つまりそれを過ぎると何も見ていないのと同じだと言うことです。
どの様にすべきなのか、何も映さない事です。
映像に動きが無ければ何も表示しない。
動きを検知したら表示を開始させる。単にライブ画像だけでなく、数秒前の映像とセットなら最良です。(これをプリポストアラームと言います。)
センサーが検知したイベントのタイミングが10時10分10秒だとします。ターゲットは全力で走っています。100mを20秒で走ると仮定すると1秒で5mは移動。モーションイベントでライブカメラが表示するまで1秒から1.5秒の遅延があるとすると、ターゲットは5mから7.5m移動。これでは誰だかわかない可能性、何をしたのか? 録画再生で状況が分かる頃にはターゲットはもはや存在しないでしょう。
プリポストアラームであれば、ライブと指定秒数前の映像を再生します。そのモーション検知に関係する全てのカメラを複数台指定する事も問題ありません。例として一つの通路だけであればその通路上の全カメラを対象にすれば過去未来からターゲットの克明な姿を捉える可能性が広がります。
プリポストアラームが普及しない最大の理由は何故か?
その理由を把握する事が最良のセキュリティシステム構築の第一歩だと私たちは思います。
技術的な理由:
どんなにチープなNVRでも録画はプリポストアラームが装備されています。(モーションやIO入力のタイミングより指定した数秒前から録画を開始する事を録画のプリポストと言います。)
しかし、監視画面表示をプリポストアラームでイベント駆動する事はメッセージ通知以外はサポートされていません。
日本製のVMSでは実装は全くされていないか、されていてもカメラ自身のアラームバッファからFTP転送して、MJPEGで保存すると言う仕様です。低解像度で小規模なシステムで無い限り破綻します。
プリポストアラームの実装は正統なVMSであれば対応しています。しかし、その処理能力に制限が多いのが実態です。ネットワーク、サーバーそしてカメラキーフレーム仕様を含め細部に渡る考慮が必要です。
Genetec Security Center Omnicastは非常に高い負荷でも安定して動作する事を実現しています。
Genetecは何故に高パフォーマンスを宣言できるのか?
一般的にプリポストアラームはサーバー側で処理します。これでは負荷が上がるとサーバーのレスポンスは急激に悪くなります。Omnicastはクライアント端末自身でキャッシュしている為サーバーに負荷を掛けません。仮にキャッシュが無かった場合は勿論サーバーがキャッシュしています。